利上げまで金価格下落、その後に大きく反転か
いまは、米国中銀がこれまで行ってきた緩和的な金融政策の転換の動きが出てきており、それが金利の上昇やドル高につながっている。これが直近の金価格の下落につながっている。
前回の緩和策の解除の過程では、2年程度、金価格は低迷した。そして、実際に利上げが実施されるまで、上値の重い状態が続いた。しかし、実際に利上げが実施されると、そのタイミングが底値になり、上昇し始めている。
今回も同じような状況になるかはわからないが、利上げが2023年に想定されていることから、2年弱は金価格が低迷する可能性も否定できない。しかし、そうなった場合でも、その後に金価格は上昇に転じ、2027年ごろまで上昇するだろう。
過去に金価格が上昇した際には、12年程度の上昇期間が観測されている。今回の上昇の起点は2015年末である。したがって、2027年ごろまでの上昇は十分に想定可能と考えている。
金投資のラストチャンスは「この2年」
読者が株式投資をしているのであれば、株式を買うのと同時にその金額の2割から3割程度の金も同時に買うとよいだろう。そうすれば、将来のインフレヘッジだけでなく、株価の下落リスクのヘッジにもなるだろう。
基本的に、株価と金価格は逆に動くことが多い。とくに、株価下落局面ではその傾向が顕著である。
金投資をまだ始めていない方は、この2年間のうちに安値で仕込むとよいだろう。そうすれば、数年後には金価格の値上がり益も期待できるのではないかと考えている。
金を含むコモディティ価格は大きく変動する。そうした動きを逐一気にしなくてもよい程度の金額で、時間と資金を十分に分散しながら、徐々に金を買い増していくことが肝要である。
この2年が金投資のラストチャンスとなろう。もちろん、最終的な投資判断は自身の責任で行っていただくことは言うまでもない。
金投資や金に関する詳しい解説を知りたい方は、拙著『金を買え 米国株バブル経済終わりの始まり』(プレジデント社)をぜひお読みいただければと思う。今後の世界情勢や米ドルの動向、さらには米中対立の結末や金価格の将来見通しなどを知ることができるだろう。