2回目の予約をしようとしたら…
さて、では、何の問題もなかったのか。
ひとつだけ、あると言えばある。それはワクチン接種の間隔だ。前述のように、わたしは大規模接種が始まって2日目に受けた。接種後、証明書を受け取り、次回の予約なのだけれど、「予約が満杯なので、あなたは5週間後」……だった。
「おいおい、ちょっと待って。だって、接種間隔は4週間後と書いてあるのに」
口には出さなかったが、これは「聞いてないよ」である。5週間後に2回目を接種したとすると、免疫ができるのはさらにその2週間後だ。
ファイザー製ならば1度目の後、3週間後に2回目が打てるようになっている。しかし、自衛隊の大規模接種の東京会場に限って言えば2回目は5週間後から。
また、東京会場は6月10日現在、「予約がガラガラ」という報道がある。それはワクチン接種が2回必要だからだ。大規模に人を集めれば2回目の接種が始まるまでに、どうしても空いている時期が出てしまう。6月28日を過ぎれば今度は2回目を打つ人たちがやってくるから、ずっとガラガラになるわけではない。
端境期というか、予約の空きがあるならば、会場にいる人たちがどんどん打って、大手町、竹橋で働く人たちも年齢に関係なく接種すればいいだけの話だ。
あらためて言うけれど、ワクチンを接種すれば医療従事者の体と心の負担は減る。
豊田市の「4分」で終わる接種会場
現在、大規模接種センターが各地にできつつある。ホームページを見ると、どこの会場でも接種にかかわる時間は入り口から出口まで経過観察も入れて「45分から1時間」が通例だ。
しかし、愛知県豊田市のトヨタ自動車とヤマト運輸がかかわる接種会場では「経過観察時間をのぞけば接種時間は4分」だという。
接種にかかわる時間がたった4分? それでは、見に行かなくては……。
5月30日から豊田市は医師会、トヨタ、ヤマト両社と連携して大規模接種センターを運営している。ヤマトはワクチンの輸送を担当し、トヨタは工場内施設などを会場として提供、社内の医師、看護師も派遣している。
そして、接種システムの効率化のためにトヨタ生産方式を活用している。接種にかかわる時間が4分で済むのはトヨタ生産方式を下敷きにした接種のシステムを作ったからだ。
接種は午前10時から午後5時までで、うち1時間は昼休み。今のところは土曜と日曜が接種日になっている。初回は600人、2回目以降は900人以上と順次、増やしている。