東京・新橋に「京味」という日本料理店があった。2019年に逝去した主人・西健一郎は、和食においてだれもが認める日本最高の料理人だったという。いったいどこがすごかったのか。ノンフィクション作家の野地秩嘉氏が目の当たりにした、西の技術とは――。
※本稿は、野地秩嘉『京味物語』(光文社)の一部を再編集したものです。
どの瞬間に塩を振るかで味は変わる
「京味はおいしい」「西さんの料理は特別だ」とよく言われる。確かに、今、世界の和食店で彼以上の技術を持つ人はいない。わたしは印象や思い付きで判断しているのではない。客観的に、他の料理人ができないことを彼はやっている。
こちらは会員限定記事です。
無料会員にご登録頂くと、会員限定サービスをご利用いただけます。
30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
約5万本の全ての記事が閲覧可能
記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
会員限定イベントにご招待