小遣いは減らさないほうがいい

この3つのいずれかに該当する人に、私は「無理して家計簿をつけなくていいですよ」とお話します。なぜなら、お金を貯める簡単な方法があるからです。それを実践すれば、ストレスになるとわかっている家計簿をつけなくても、誰でもお金が増えていきます。

私は相談者に「小遣いは減らさないように」「できるだけ趣味はやめないでください」といっているのですが、その際、まず小遣いの金額を決めます。

たとえば、手取り収入20万円で貯金2万円、残りが生活費と小遣いで、それぞれ15万円と3万円とします。要は小遣いを3万円以内に収められるなら、なにに使ってもOKということです。これができれば、家計簿は不要といってもいいでしょう。

小遣いを嘆願する夫
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家計をしっかり把握したい人は、簡単に入力できて使いやすい家計簿アプリを利用してみてはいかがでしょうか。

初めて家計簿をつける人にオススメなのは、「マネーフォワード ME」。レシート読み取り、銀行やクレジットカードとの連携、電子マネーの利用管理など万能型のアプリです。家族間で家計簿を共有したい人向けなのは「家計簿Zaim」、レシート読み取り機能が優れている「レシーピ!」は操作がとてもシンプルです。

節約のために食費を減らしてはいけない

家計の中で真っ先に削減しやすいのが、食費です。

ですが、私は最も削ってはいけないものが、食費だと思っています。朝、昼、晩、おやつなども含めると、それぞれ少しずつ切りつめることで、お金を捻出できる感じがします。しかし、切りつめようとするあまり、必要なものまでカットしてしまうと、家族の幸せに悪影響を及ぼすのです。

ある女性は、「一食100円生活」をしている主婦ブロガーの記事に影響されて、食費を毎月1万円でやりくりしようと決意しました。単純計算で、1日で330円ほどの食費になります。もちろん、すべて自炊です。その結果、彼女の家の食卓は「真っ白」になってしまったといいます。

どういうことかというと、すべての料理を豆腐、モヤシ、白菜、ごはん……といった安い食材で構成せざるをえなくなったのです。そのため、家族はそんな食事にうんざりして、高校生の息子は外で買い食いをするようになったといいます。

これと同じことは、昨今のサラリーマンやOLにも当てはまります。たまに、お昼時のオフィス街のコンビニに立ち寄ることがあります。私が驚いたのが、多くの人がおにぎりとサラダだけ、パンとヨーグルトだけですませていることです。