つまり、笑顔にはストレス抑制効果があるということです。より強い笑顔のほうがその効果は高くなります。笑顔なだけで脳が「楽しい」「嬉しい」という錯覚を起こすんですね。
さらにアルスター大学のブリックらによれば、運動中に笑顔でいると運動のつらさを忘れるという実験結果を公表しています。身体感覚にも影響があるというわけです。
考えすぎてしまっているときは、とりあえず口角を上げて、ニッと笑ってみてください。地味でイヤ~な作業をしているときも、口角を上げておくといいでしょう。
意識しないと、人の表情はかなり無愛想
また笑顔のもう一つの効果として、人から見た印象も大きくかかわってきます。
カリフォルニア工科大学のオードハーティーらの研究によると、人は誰かの笑顔を見ると脳の報酬系が活性化することがわかっています。報酬系とは「喜び」をつかさどる脳の機能のことで、つまり、笑顔の表情は相手を喜ばせるということです。
これは、ポジティブな人間関係をつくっていくのにも非常に効果があります。
たとえば赤ちゃんや小さな子どもの笑顔を見るとついつい「つられ笑顔」をしてしまう、という経験をしたことのある人も多いかと思いますが、これも子どもたちの笑顔によって脳の報酬系が働いていると考えられます。
もう一つおまけで紹介をしておくと、東北公益文化大学の益子らの研究によれば、笑顔が大きくなるにつれて、その人自身の「活力性」「支配性」そして「女性らしさ」を高めることがわかっています。そして、人からの「好感度」も高くなるという結果になったのです。笑顔が大きいと、より魅力的に映るということですね。
総じて言うと、笑顔というのはいろいろな面でいいことがある表情であり、不安とうまく付き合っていくには欠かせない要素の一つなのです。
今、あなたの表情はどうですか? 意識しないと、人の表情はかなり無愛想で、無表情に見えるものです。表情筋を使って、笑顔の習慣をつくってみてください。あれこれ悩んだり、考えたりする前にまず「笑顔」です。