レベル4の人は、いってみれば「上司を驚かせる人」です。その提言が実現して大きな成果を挙げることができれば、社内における上司の評価も上がるでしょう。そのため、レベル4の人は、上司にとって「手放せない人」にもなる。文字どおり、「参謀級」なのです。

上司が知っていること、知らないこと両方を把握する

では、提言力を高めて参謀級の「上司を驚かせる人」になるにはどうすればいいのでしょうか。わたしからは、なにより「インプットに注力する」ことをアドバイスしておきます。

なんらかの解決策を実行に移す率先力がどんなにあったとしても、その解決策自体が的外れのものだったとしたらどうでしょう? その行動はまったく意味がないことであり、せっかくの率先力をムダにしてしまうことになりかねません。それこそ、空回りです。

このケースでいえば、先にもお伝えしたように、リモートワークに対する上司の考えをインプットしておかないことには上司の意向に沿った解決策を考えられるはずもありませんよね。また、社内外問わずさまざまなネットワークをもち、上司が知らない情報をインプットしておかなければ、レベル4の人のように上司を驚かせるような提言もできません。

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大変そうに見えてお得な役回り

提言力は、インプット量に左右されるのです。これまでたくさんの人に会ってきたなかで、提言力がレベル3以上にある人とレベル2以下の人のあいだには、インプット量に決定的な差があると感じています。

とくにレベル4の人は、とにかく本をよく読み、ジャンルを問わずトレンドに精通している。また、ほとんどの人が日本経済新聞を読んでいます。そして、社外に持っている自分のコミュニティーのなかでさまざまな生の情報をインプットしてもいるのです。

レベル4の役回りは、なかなか大変そうですよね。ただ、実際にはそうでもありません。上司から感謝されることはもちろんですが、上司の代わりに、いわば汚れ役を買って出ているのですから、「よくそんな役をわざわざやるよなあ」と同僚からも一目置かれます。もちろん、それだけ率先して動ける力があれば社内での評価も上がり、将来的な出世にもつながります。