デキる人がやっている「脳のリセット」

どんなにエネルギッシュに見える人でも、持っているエネルギーは有限です。ですから、毎日しっかりと活動したいと思うのなら、適切に体を休ませることが肝心。とくに、体の部位のなかでも飛び抜けてエネルギーを消費する脳をしっかりと休ませることが大切になります。

ところが、わたしから見ると、脳を休ませることがうまくない人が多いようです。脳を休ませるといったときに、まずみなさんが思い描くのが、睡眠ではないでしょうか。もちろん、脳を休ませるために睡眠は重要な働きをしているわけですが、残念ながら、睡眠の取り方が優れている人は少ないものです。

たとえば、忙しいビジネスパーソンなら、「睡眠時間を少しでも長くしたい」と考え、お風呂はシャワーで済ませている人も多いと推測します。でも、これは完全にNGの行為。良質な睡眠をもたらす強い眠気は、体温が上がって下がるときに出るからです。ですから、一度体温を上げるために、シャワーより少し時間がかかっても湯船のお湯につかることをおすすめしたいところです。

寝酒、週末の寝だめもNG

また、日常的に寝酒をしているという人も多いでしょう。もちろん、週末などに楽しいお酒を飲むのならいいのですが、アルコールは睡眠を浅くしてしまうため寝るためのお酒はおすすめしません。アルコールを摂取することによって肝臓で生成されるアセトアルデヒドという毒素がノンレム睡眠を継続してしまう、尿量が増えてトイレに行くために起きてしまう、喉の筋肉が緩んでいびきが出てしまう、など複数の要因があります。

ラップトップの隣にあるビールグラス
写真=iStock.com/JAVIER LARRAONDO
※写真はイメージです

寝酒をしたあとに寝ていると、ちょっとした物音でも目が覚めてしまうことがありませんか? または、夜中にトイレに行くというのも、よくあることでしょう。アルコールの働きで寝付きはいいかもしれませんが、睡眠の質は下がってしまうのです。

あるいは、週末になると平日より何時間も長く寝ている人はいないでしょうか? これもNGの行為です。週末にふだんより長く寝てしまうと、生活リズムを乱すことになります。そのことが、体や脳の働きを調節するために大切なさまざまなホルモンの分泌を阻害してしまいます。そうして、疲れを取るつもりの週末の寝だめが、逆に体も脳も疲れさせてしまうということになりかねないのです。