4月25日より日曜劇場「ドラゴン桜」(TBS系)がスタートする。東大合格請負漫画として一世を風靡した前作から15年の時を経て、なぜ原作漫画『ドラゴン桜2』の執筆に至ったのか。時代の変化があってなお、再びテレビドラマ化されるヒットがなぜ可能になったのか。漫画家・三田紀房氏が、セブン‐イレブン限定書籍『ドラゴン桜 人はなぜ学び、何を学ぶのか』(プレジデント社)刊行に際し、その創作舞台裏を語る──。(第2回/全3回)

15年の時を経て、異例の続編…

この3月に、週刊『モーニング』(講談社)での漫画『ドラゴン桜2』連載は完結した。パート1のほうは2003~07年の期間、同じく『モーニング』で連載していた。両者には15年ほどのタイムラグがある。

それだけの間を空けて、同テーマ・同じ主人公で展開する漫画はあまり例がない。

なぜ『ドラゴン桜2』では、問題なく続編を展開できたのか。おそらくは、時代は変われど不変なものを捉え、描いているからだ。

桜の花の下で笑顔を見せる高校生たち
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主人公・桜木建二はプロジェクトリーダー

例えば、主人公・桜木建二の姿勢である。

彼は「東大合格請負人」を任じて生徒たちをけしかけ、強い言葉で導きながら結果を出す。生徒に課す勉強法やかける言葉は時代に即応させているが、やっていることや立ち位置は変わらない。

彼は根っからのプロジェクトリーダーなのである。目標を設定して、あらゆる手を尽くして組織やチームを導き、目標を達成させる。その道のプロフェッショナルとして存在しており、パート1でもパート2でも「東大合格」という結果をきっちり出している。

漫画の表現上あまり強調していないものの、PDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルを回して成果を上げるという仕事人としての王道を、彼は律儀りちぎにこなしているわけだ。ストーリーに沿ってそのプロセスを追体験することは、読者にとってカタルシスを得られるものである。