15年の時を経て、異例の続編…
この3月に、週刊『モーニング』(講談社)での漫画『ドラゴン桜2』連載は完結した。パート1のほうは2003~07年の期間、同じく『モーニング』で連載していた。両者には15年ほどのタイムラグがある。
それだけの間を空けて、同テーマ・同じ主人公で展開する漫画はあまり例がない。
なぜ『ドラゴン桜2』では、問題なく続編を展開できたのか。おそらくは、時代は変われど不変なものを捉え、描いているからだ。
主人公・桜木建二はプロジェクトリーダー
例えば、主人公・桜木建二の姿勢である。
彼は「東大合格請負人」を任じて生徒たちをけしかけ、強い言葉で導きながら結果を出す。生徒に課す勉強法やかける言葉は時代に即応させているが、やっていることや立ち位置は変わらない。
彼は根っからのプロジェクトリーダーなのである。目標を設定して、あらゆる手を尽くして組織やチームを導き、目標を達成させる。その道のプロフェッショナルとして存在しており、パート1でもパート2でも「東大合格」という結果をきっちり出している。
漫画の表現上あまり強調していないものの、PDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルを回して成果を上げるという仕事人としての王道を、彼は律儀にこなしているわけだ。ストーリーに沿ってそのプロセスを追体験することは、読者にとってカタルシスを得られるものである。