結論から話し、受け手の第一の欲求を満たす

原則Ⅱ 結論から話す

「結論から話す」のは、そのほうがティーチングを受ける相手の欲求に応えられるからです。

例えば、食料品のメーカーで、新入社員への知識付与として「ウィンナーとフランクの違い」を教えることになったとしましょう。

×理由から話す
ウィンナーとフランクの違いを理解するには、先にJAS法を知る必要があります。この法律は「日本農林規格等に関する法律」というもので、国が食品・農林水産品に関する規格を制定しています。この法律は、平成29年度に改正されていて……
○結論から話す
結論から言うと、ウィンナーとフランクの違いは太さです。直径20mm以上がフランク、20mm未満がウィンナーです。なぜ、そうなっているかというと、JAS法、日本農林規格等に関する法律で、決められているからです。

×例のようなティーチングだと、新入社員は10分後には寝てしまうでしょう。「ウィンナーとフランクの違いを教える」と言われたとき、受け手が聞きたいのは「何が違うのか」ということ。×例のように、それがなかなか聞けないと集中力は途切れてしまいます。

逆に、○例のようにスパッと結論から話すと、受け手の第一の欲求は満たされます。そうなると、次の欲求が生まれてきます。それは「なぜなのか?」ということ。そこに理由が示されれば、再び欲求が満たされ「なるほど」と腑に落ちる状態になる。

結論→理由の順で話すのは、そういう状態を作るためです。

顎に手を当てて考えるビジネスマン
写真=iStock.com/byryo
※写真はイメージです

5秒以内で結論から短く言い切る

フレーズとしては、

「結論から言うと」
「一番大切なことは」

といったものです。

ここで、注意点があります。それは、「結論は短く話す」ということ。目安としては5秒以内に言い切れる長さが適切です。

例えば、先ほどのウィンナーとフランクの例で言うと

×結論から言うと、直径20mm以上がフランクで、直径20mm未満がウィンナー
○結論から言うと、太さが違う

○例のように短いほうが結論としてのインパクトが強くなります。「直径20mm以上が」というセリフは、その後で付け加えればよいわけです。

結論から短く言い切る。やってみてください。

このように、全体→部分、結論→理由の原則を活用するだけで、あなたのティーチングは格段によくなります。