「30年不況」は経済ブレーンの理論偏重、大衆軽視の姿勢が原因
医療の世界でも、高齢の患者ほど臓器別・データ至上主義の大学医学部の教授たちの推奨する医療では機能しことが多い。臨床(患者)ではなく、頭でっかちな理論重視で決めた治療法ではかえって健康状態を損なうことが地域医療を行う医師の間で問題になっている。
現実に起こっていることを知り、現場の声を聞かないとどうなるか。
いくら高学歴の人が、どんなに素晴らしい研究をして、膨大な量の書籍を読み込んでも、その場に対応したプラグマティック(実利的・実際的)な答えを出すことはできない。
門外漢だが、日本のバブル崩壊以降の「30年不況」の背景には、日本の経済ブレーンたちの理論偏重、大衆の心理軽視があるように思えてならない。
一流の経営者は、あえて運転手を使わず電車の中の声を一生懸命聞くことがあるといった話を聞くが、高度の経営判断をするには、やはり自分で現場を見て、現場の人に聞くことが重要だということではないだろうか。
冒頭に述べたワクチンの話でも、医療のひっ迫だけを問題にしたり、感染予防だけに重点を置いたりするのでなく、より多くの医師がコロナ治療に関われるような環境づくりをするなどより現場に即した対処・施策をするべきだろう。
読者の方におかれましては、くれぐれも賢い人がバカにならないために、現場の声に耳を傾けるという姿勢を忘れないでほしい。