「結論から」話すチームで効率的に
部下からの報告がわかりにくく、イライラすることはありませんか。その場合、イライラしているのはあなただけではないと考えてください。特にオンラインミーティングでの要領を得ない発言はストレスの元凶です。聞けば聞くほど、かえってわからなくなる、そんな話し方をする人は少なくありません。「で、何が言いたいの?」と言い返したくなる瞬間です。
そんなときこそ、おすすめの方法があります。
報告・連絡・相談をしてもらうときは、「PREP法」でしてもらうようにすることです。PREP法はビジネスのシーンでよく使われる文章構成で、簡潔にわかりやすく伝える話法です。Point(結論)、Reason(理由)、Example(事例、具体例)、Point(結論を繰り返す)、の順に話をすることですが、いわゆる「できるビジネスパーソン」はPREP法で話をしている場合が多いです。
PREP法の具体的な構成
PREP法による会話は、実際には次のような感じになります。
上司「目標達成は大丈夫?」
部下「いえ、雲行きが変わってきました。このままでは、達成、未達成の確率は、半々くらいだと感じています。(P=結論)
というのも。急激な不景気のため、お客様の約8割が、買い控えをされているからです。(R=理由)
例えば、ABC商事様では、在庫を整理することが先とのことで、購買を一斉にストップされました。(E=事例、具体例)
なので達成の可能性が半々くらいになったと感じています(P=理由)」
上司「そうか……。じゃ、今後は、どうしようと思っているの?」
すぐにはうまくいかないかもしれませんが、この順序を意識して話してもらうようにすることで、わかりやすい会話になります。もちろん、リーダーであるあなた自身も、PREP法で話すことを意識しましょう。
2カ月で全社員が話し方上手になった方法
では、どうすればいいのでしょうか。私の研修先の会社での事例を紹介します。その会社では、2か月後には全員がPREP法で話せることを目標に、「PREP」と記載した紙のCARDを、各社員が常にぶら下げている「社員証」とともに、持ち歩いてもらうことにしたのです。
2カ月間は、自分が何かを説明するときには、そのカードを見ながら話してもよいというルールにしました。その結果、2カ月後には、全員がカードを見なくても、自然とPREP法で話せるようになったのです。
PREP法は、話すときだけでなく、レポートなどの文章を書くときにも使えます。部下に意識してもらえれば、提出書類のチェックも手短かに済ませられることでしょう。
ぜひ、あなたのチームでも、PREP法をルール化してみてください。