生徒の目はキラキラ輝いていて、真剣だった

生徒の目はキラキラ輝いていて、真剣だった。「静かで、にぎやかな学校」というNHKのドキュメンタリーの舞台になったこの学校は、タイトル通り、生徒の話し声は聞こえないが、日本手話で繰り広げられるコミュニケーションはとても賑やかだ。よそ見をする生徒はいない。目で言葉を見る彼らは真剣に先生や学友に目を向けている。先生も、一人一人とアイコンタクトを欠かさない。

1990年代初頭まで日本のろう学校では手話が禁止され「社会に出たときに困らないように」と口話、読唇を教えることが主流だった。唇を読んで言葉を理解する読唇。わずか16通りほどしかない唇の形から100以上ある音を読み取るのは大変困難という。

手話の授業では手話ポエムの練習がされていた。日本手話は手の動きだけでなく、顔の表情や眉毛や目や口の動きも重要な表現の1つになる。ひらひらと舞う指の動きや表情の豊かさに圧倒される。

教室の壁に目を向けると「様々な場で活躍するろう者たち」という展示があった。そこには大橋ひろえさんの紹介もあった。「耳が聞こえないから無理」。そんな言葉を浴びてきた大橋さんは俳優として「普通」の壁にチャレンジし続け、前例をつくっていた。ろう者としてのアイデンティティー、誇りを胸にはぐくむ明晴学園の子どもたちは、きっと社会に蔓延る「普通」を壊していくだろう。

【関連記事】
会議で重箱の隅つつく「めんどくさい人」を一発で黙らせる天才的な質問
子どもに月経や射精について話すときに「絶対使ってはいけない言葉」2つ
「見えない。そんだけ。」全盲の息子を育てる広告マンがこのコピーにたどり着くまで
「スマホを買ったばかり」中1女子の裸写真がネットに流出した理由
「いつも同じカバンを使う」ゴミ部屋を作りやすい"大人のADHD"の典型的症状