十把一絡げにされていることで実態が見えづらくなっている

また、このパターンには偽装離脱により「掟」の外に出された元暴も含まれます。このカテゴリー(4)の半グレ=元暴アウトローがなぜ厄介かというと、それは犯罪のプロ集団である暴力団に所属していたからです。そこで蓄積された人脈や知識を有するがゆえに個人のプロの犯罪者といえます。

現状、こうした性質が異なるグループが、十把一絡げに「半グレ」とカテゴライズされていることで、実態が見えづらくなっているように思います。オレオレ詐欺やみかじめ料徴収、グループでの薬物販売に関係する者たちが「半グレ」だ、「準暴力団」だというのであれば、正しくは(1)(2)(3)のカテゴリーに属する反社の人たちではないでしょうか。

カテゴリー(4)の人たちは、警察では「暴力団員等」という範疇に分類しています。筆者は、このカテゴリー(4)の人たちは反社には該当しますが、若い半グレとは性質が少し異なる存在であると考えています。

繰り返しますが、暴力団現役時代に、犯罪の手練手管を磨き、裏社会にネットワークを築いているので、犯罪のプロ経験者といえる存在だからです。余談ですが、カテゴリー(1)と(3)((2)は未成年で消耗要員の場合が多く、裏社会では有象無象の者たちであり、警察もマークしていません)、およびカテゴリー(4)の人たちは、1990年頃までなら「暴常(暴力常習者)」として、警察にマークされていたような人たちです。

当時の警察には、「マル暴」(暴力団案件を示す)同様に「暴常」のハンコがあったそうですが、1992年の暴力団対策法施行以降は、この「暴常」扱いが姿を消したと、当時を知る警察官の方から聞きました。

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