子育て世代のために消費税を増税したのではないのか?

そういえば消費税が10%になる際、これまでの高齢者中心から、子育て世代にも拡大する財源にするという名目で増税されました。

新たに加わった消費税の使途は、

1.幼児教育・保育の無償化
2.待機児童の解消
3.高等教育の無償化

などで、ここに「待機児童の解消」も含まれています。

ならば公約通り、消費税できっちり予算確保しろよ、と言いたくなります。マスコミはこういうところを指摘してほしいものですが、JOC元会長の女性差別発言がどうこうなどと、ゴシップにしか目が行かないようです。もはや現代のメディアには、政策のチェック機能を求めるのはムリなのかもしれません。

結婚すれば出生数は上がる

平成30年度の合計特殊出生率は1.42%ですが、夫婦の完結出生児数(最終的な出生子ども数の平均値)は、1.94人。

また、未婚者の平均希望子ども数(男性1.91人、女性2.02人)、夫婦の平均理想子ども数(理想子ども数2.32人、予定子ども数2.01人)ともに2人前後という調査結果が出ています。

ということは、多くの夫婦は、2人程度は子を持つということなので、単純化すれば「とりあえず結婚さえすれば出生率は上がる」可能性を示しています(もちろん、子どもを持たない夫婦、子は一人だけの夫婦も増えていますが、一般的にという意味で)。

なので、少子化対策の1点目は、やはり結婚を促すということになるでしょう。

独身者への調査では、いずれは結婚しようと考える未婚者の割合は、男性85.7%(前回86.3%)、女性89.3%(同89.4%)で、高い水準にあると言えます。

つまり、積極的に独身を選ぶ人は少数派で、環境さえ整えば結婚へ促すことはできるということを示しています。

むろん、「結婚という圧力をかけるのか」「独身者の肩身が狭くなる」「個人の自由な生き方を損なうのか」「差別だ、人権侵害だ」などという声は出てくると思います。しかしキリスト教のような宗教的背景を持たず、「家」「血縁」を重視する日本人には養子や里親を普及させるのは容易ではありません。

つまり少子化対策には結婚が必要であり、結婚を促すには、やはり結婚は良いものだという空気を醸成する必要があるでしょう。同時に、婚活事業者への支援を手厚くする方法もあるでしょう(実際、補助金が出る自治体も数多くあります)。