コロナ禍で健康面での二極化が進んでいる。規則正しい生活になった人がいる一方で、食べ過ぎ、飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎなど、不健康な生活になってしまう人もいる。メンタルコーチの大平信孝氏が健康を害する悪習慣をやめる「禁煙・禁酒・ダイエット」のコツを紹介する――。
あまりに不健康な食事を膝の上に置き、右手にはビールジョッキを持つ肥満体型の男性
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静かに進行する、健康面での二極化

新型コロナウイルスをきっかけとして、働き方や生活が大きく変化しつつあります。在宅勤務、リモートワーク、時差通勤が一気に広まり、イベントや授業、買い物などのオンライン対応が進みました。旅行やレジャー、外食、飲み会、イベントなどに制限があり、今まで「当たり前」「普通」と思っていたことが、普通にできない日常になりつつあります。

そんななか、食事、睡眠、運動など規則正しい生活を取り戻し、健康的な生活習慣を手にした方もいます。一方で、状況の変化によるストレスやプレッシャーなどにより、食べ過ぎ、飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎなど、さらに不健康になってしまった方もいます。

新型コロナウイルスをきっかけに健康面でも二極化が進んでいるのです。

今回は、食べ過ぎ、飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎといった健康を害する悪習慣をやめるための禁煙、禁酒、ダイエットのコツをお届けします。

「やめること」をゴールにしているとやめられない

[コツ1]やめることだけでなく、「◯◯する」という肯定形で決める

禁煙、禁酒、ダイエットなど、やめたいことについて、あなたは「やめること」をゴールにしていませんか。

実は、「やめること」だけをゴールにしていると、やめられません。「○○しない」という否定だけだと、ひたすら我慢することになるので、最初の行動のハードルが高くなりがちだからです。さらに、なんとか我慢できたとしても、「しない」という否定形の行動の効果を実感するまでには時間がかかるので、続けることが難しいのです。

では、禁煙、禁酒、ダイエットなど、「しないこと」を目標にしたい場合は、どうしたらいいのでしょうか。

この場合は、「それをしない代わりに何をするのか?」を決めてください。つまり、目標を否定形から肯定形に書き換えればいいわけです。

例えば、禁酒したいのであれば「お酒を飲む代わりに、ウーロン茶や炭酸水を飲む」、禁煙したいのであれば「タバコを吸いたくなったらコーヒーを飲む、深呼吸する、ガムをかむ」など、肯定形に変換すればいいわけです。