課題は訪問診療の医師が不在のエリアが多いこと

ただ、訪問診療にも課題があるといいます。

「第一に地域差があることです。訪問診療の医師が不在のエリアはまだ多い。訪問診療には、病院に勤務する医師や通常外来だけの開業医にはない大変さがあるので、志す人がなかなか増えないのです。第二は医師が少ないことも関係するのですが、訪問診療そのものが世間にあまり知られていないことです」

医者のアイコン
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Illustrator de la Monde)

西田医師の知人の医師が九州のある町で訪問診療のクリニックを1年前に開業したけれども、契約し利用する患者は10人ほどとのこと。地域の住民も、そして仲立ち役をするケアマネジャーでさえも訪問診療の知識がないため、利用する人が増えないというのです。

「幸い私が拠点とする越谷市は医師会が在宅医療の推進に力を入れており、訪問診療医との連携、協力体制ができています。私のクリニックは2人の常勤医でスタートしたのですが、利用される患者さんが順調に増え、現在は常勤医師4人、非常勤医師6人で対応。それでもキャパシティーをオーバーするほどです」

訪問診療を行う医師は徐々に増えてはいますが、地域によって足りていない現状があることや地元医師会の協力体制などまだ課題はあるようです。

「訪問診療というものがあることを知れば、利用したい方はたくさんいると思います。お住いの地域に対応する医師がいるか、まずは調べていただきたいですね。ネットでも探せますし、担当のケアマネジャーに聞いてみる方法もありますから」

医師が自宅まで来てくれる訪問診療。自宅療養中のコロナ患者に対応してくれるかどうかは医師によるようですが、これを機会にこうしたかかりつけの医療システムがあることが知っておいて損はないでしょう。

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