どこの職場にも周りを困らせる「面倒くさい人」がいます。面倒くさい人には4タイプある、と言うのは精神科医で産業医としても活躍する井上智介先生。今回は、タイプ別面倒くさい人とのつき合い方を紹介します。これで職場の人間関係が少し楽になるはず――。
夕陽に向かってサムズアップする女性のシルエット
写真=iStock.com/AntonioGuillem
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職場にいる「面倒くさい人」4タイプ

僕たち産業医が受ける相談の中でも、職場の人間関係に関するものは多く、「こういう人が相手だと毎日面倒だろうな……」と思うようなケースもあります。面倒くさい人は大きく分けて4タイプあります。

(1)悪口や陰口を言う人
(2)マウントしてくる人
(3)無茶ぶりしてくる人
(4)責任を押しつけてくる人

それぞれのタイプの説明と対処法について説明していきましょう。

なぜ、悪口や陰口を言うのか

一つ目のタイプは、まわりの人の悪口や陰口を言う人。特に若い人が、上司からその同僚の悪口や陰口を聞かされて巻き添えを食うというパターンをよく聞きます。下の立場からすると、悪口を言う人も言われる人も、同じような立場なので、どちらとも仲良くしたいのに、悪口に相づちを打たなきゃいけないとか、どっちの味方をしたらいいんだろうとか、そういうことを考えないといけないのが面倒くさいのです。

では彼らはなぜ、悪口や陰口を言うのでしょうか。じつは、自分はこれだけ苦しい思いをしているから、相手にも苦しい思いをさせるために、悪口で総合点を落しておく、そういった歪んだ正義感、変な平等意識の強い人が多いんです。そうやって相手を攻撃することで、自分の正当性を評価されたいし、自分と同じ位置まで下ろしたい、もしくはそれで自分が上にいきたいという感覚があるのです。

一番大切なのは、悪口や陰口を言う人に仲間と思われないこと。接する時間を極力短くして、二人きりにならないようにする。まともに対応して同調したと思われたら、仲間意識を持たれてしまうので、「へえ、そうなんですね」と一応、話を聞いている姿勢は見せつつ、興味のない返事をしておく。のらりくらりとかわすことが大切です。そんなふうに、うまく逃げ切って時間をかけて、そういう悪口や陰口にのってこない人、ということをわかってもらうしかありません。