テレワークの浸透で運動不足に陥り、腰の痛みを訴える人が激増している。慢性腰痛、ぎっくり腰……体をどちらに向けても「しんどい」この状態をどうすれば脱却できるのか。自身、長年腰痛に悩み、克服した経験を持つ池谷敏郎医師が、困った腰痛の原因の突き止め方とともに、その腰の痛みに隠された重篤な病気の見抜き方を教示する──。(第3回/全3回)

※本稿は、池谷敏郎『腰痛難民』(PHP新書)の一部を再編集したものです。

腰がラクになる座り方

国内で行なわれたある疫学調査(集団を対象に病気の頻度や要因を統計的に調べること)では、デスクワーク(事務職)の人の42~49%が腰痛を自覚しているという結果が出ています。つまり、デスクワークの人の半数近くが腰痛を感じているということです。

重たい荷物を持ち上げるわけでもないのに、なぜそれほど腰痛が多いのかといえば、長時間同じ姿勢でいることが多く、体を動かさない生活になりやすいことに加えて、座っている時の姿勢の悪さがあるのだと思います。

ありがちなのが、ひとつは、背もたれに寄りかかって背中が丸まってしまっていること。私も、腰痛がひどかった頃には、背もたれにどかっと寄りかかって座っていました。また、パソコンで長時間の作業をしているうちに、顔が前に出て肩も背中も丸まってしまう人も多いですよね。

ただ、自分の姿勢というのは意外とわからないものです。一度、家族や同僚にふだんの座り姿勢を写真に撮ってもらってみてください。画像で確認すれば一目瞭然です。

架空のテーブルに座っている男の人
写真=iStock.com/SIphotography
※写真はイメージです

おすすめエクササイズ「エア・ボート漕ぎ」

おすすめの座り方は、まずは背もたれを使わないこと。そして、「エア・ボートぎ」をしたあとでそのまま腕を下ろした姿勢、と患者さんによくアドバイスしています。

「エア・ボート漕ぎ」とは次のようなものです。

エア・ボート漕ぎ
①座ったまま、ビルの5階くらいを見上げるように上を向き、目線の先に腕を伸ばす。この時に、お腹を突き出して反り腰にならないように、お腹に軽く力を入れる。
エア・ボート漕ぎ
②顔は“5階”を見たまま、ボートを漕ぐように両腕を後ろに引く。

これが、「エア・ボート漕ぎ」です。胸を開き、肩甲骨をギューッと寄せるようなイメージで行ないましょう。