※本稿は、名取芳彦『上手に発散する練習 “風通しのいい心”になる考え方』(青春新書プレイブックス)の一部を再編集したものです。
「家から出られない」=「家にいれば、何をやってもいい」
何かの理由で、家から出られないことがあります。留守番や体調不良、中にはどこにも行くところがないので仕方なく家にいる場合もあるでしょう。
この場合、やらなければならないのは“家にいる”ことだけで、言い換えれば、家の中にさえいれば何をやっても自由です(この項では、仕事や家事など、家でやらなければならないことがあるケースは除外します)。
他にも、病院や人気ラーメン店で、長蛇の列の中で待たなければならないこともあります。
この場合、やるべきことは“待つ”ことだけで、それ以外は何をしても自由です。整理券をもらえたり、順番をスマートフォンなどで教えてくれる場合がありますが、この項では家にいなければならないときと同様に“その場で待たなければならない”場合を前提にして、その状況の中でモヤモヤやイライラを愉快に発散する方法をお伝えしようと思います。
さて、退屈なときどうするか……。
対処法さえあれば、一生「退屈」することはない
その対処法をいくつか考えておけば、あなたの辞書から「退屈」という言葉がなくなります。生涯にわたって退屈することはなくなります。
「退屈」はもともと仏教語で、サンスクリット語のケーダ(倦怠)やヴィシャーダ(落胆、無気力)の訳語として使用されました。
仏教では「仏道修行の困難に屈して、仏道を求める心が退くこと」を表す言葉です。日本語で「退屈」は、物事に飽きていや気がさす、ヒマで困るなどアクビを誘発しそうな状態を表すのはご承知の通りです。
さて、退屈と言いたくなった場合、どんなことに心が屈して退いているのでしょう。きっと、面白い、楽しいことがないことにウンザリしているのでしょう。だとすれば、宝探しのように、クイズに答えるようにそれを探せばいいのです。
人によって面白いこと、楽しいことは異なります。クロスワードパズルやジグソーパズルに興じる人もいれば、DIYにはまる人、ボードゲームに夢中になる人もいます。料理に目覚める人、楽器やアートに熱中する人もいます。
アウトサイダー・アートというジャンルは、専門的な技術を学ばずに、自分が表現したいものを自分のためだけに作った作品を言いますが、モヤモヤやイライラを発散する方法として計り知れない可能性があると思います。