「安静は麻薬」という言葉の意味

もっと鍛えたい人だけでなく、歩くと腰や膝が痛くなる人も、まず筋トレをしてからウオーキングをするといい。

日本整形外科学会認定医で日本スポーツ協会認定医、松浦整形外科の井上留美子医師によると40歳を過ぎると歩行に必要な太ももや、股関節まわりの筋肉がどんどん退化していくという。

「昔と同じように歩けない、走れないのは下肢や体幹を支える腸腰筋群の筋力が低下し、背筋が萎縮・脂肪化してしまうからです。表に挙げた2つの筋トレを毎日少しずつでも続けていくと、股関節を上げやすくなり、歩くのが楽になると思います。また腰椎を前方に引く力がついて腰のS字がきれいに描け、姿勢が良くなりますね」

井上留美子医師提唱「もっと楽に歩ける」トレーニング

井上医師は患者を指導する際に、ある専門家が掲げた“安静は麻薬”という言葉を胸に置いているという。「動かないのは心地よいですが、じっとしていると確実に筋力が落ち、気づいたときには動けない体になってしまいます」