葛城かつらぎミサト

シンジの同居人。ネルフの戦術作戦部で部長を務める、シンジの保護者的存在。15年前、14歳の時に、父親が隊長を務める葛城調査隊と同行した南極で、セカンドインパクト(編集部注:南極への隕石落下による世界的大災害)に遭遇。南極での唯一の生存者にして、セカンドインパクトを最も近くで目撃した人物となります。その精神的外傷から心を閉ざし、長く失声症を患います。

彼女の父親は仕事人間で、研究に没頭するあまり家族をないがしろにしていましたが、セカンドインパクトでは自分の命と引き換えに娘を救います。父性愛の不足と希求。父性的なキャラクターである加持かじリョウジと恋人関係にあったのも、納得がいきます。

●惣流・アスカ・ラングレー

エヴァ弐号機のパイロット。勝気で負けず嫌い、いつも強気な発言を繰り返す。容姿端麗で、14歳にして大学を卒業した秀才です。プライドの高さが災いして徐々に自信喪失し、過酷な運命をたどることになります。

彼女の母親は、エヴァ接触実験の失敗で精神崩壊をきたします。人形を実の娘だと思い込んでアスカを全く見なくなり、ついには自殺しますが、その直前「一緒に死んでちょうだい」とアスカを誘います。彼女はその深いトラウマによって、「もう泣かない」「誰にも負けられない」と決意。転じて、周りから必要とされる価値ある自分でいなければならない、という一種の強迫観念を根底に持ち、危うさと紙一重の強さを兼ね備えた性格となります。

彼女の陽気な性格は、心理学的には「躁的防衛」と考えられます。辛いことがあったのに、やたらと明るく振る舞う人が、あなたの友達にもいませんか? 外面は明るく振る舞うことで、内面の苦しさを覆い隠そうとする心性です。明るく振る舞えなくなった瞬間、その心の防衛は全て崩れてしまいます。最初、心の強い女性に見えますが、それは心が強いのではなく、心が弱いから、重大なトラウマを抱えているからこそ、強固な心の壁を構築するかのように、強気に振る舞う必要があったのです。