何気ない断定の一言が能力発揮の機会を損なう
先ほど紹介したネガティブワード以外にも、注目してもらいたい言い回しがあります。それは、次のようなものです。
「◯◯すると◯◯になる」
「◯◯しないと◯◯できない」
「◯◯の人は◯◯ができない」
「◯◯すべきである」
「◯◯でないとダメ(意味がない)」
「◯◯が許せない」
これらの言い回しに共通している点はなんだと思いますか?
それは、断定口調であることと、思い込みが色濃く出ている言い回しであるということです。こうした、思い込みにとらわれた言い回しを使い続けると、思考停止に陥りやすく、それ以上考えなくなります。結果として、潜在能力を発揮しづらくなるのです。
たとえばある日、あなたの同僚が「(東京の)丸の内で働いている人は意識高い系の人が多いよね」と言ったとしましょう。その同僚が、丸の内で働いている人全員にヒアリングしたわけではないことは明らかです。
自分としては何気なく放ったひと言でも、このように断定口調で話す習慣がつくと、本人はあたかも自分の発言が事実かのように錯覚してしまいます。そして、ますます思い込みに気づきづらくなり、潜在能力を発揮する機会を失ってしまうわけです。
「セルフクエスチョン」で思い込みから解放されよう
この状態を回避し、潜在能力を引き出すうえで効果的な方法が、「セルフクエスチョン」です。これは自分の信念が本当に正しいのかを問うものになります。
「セルフクエスチョン」を習慣にすると、自分の偏った考えに気づきやすくなり、思い込みから解放されやすくなります。
仕事で突破口を思いつかなくて困っているときや、なかなか思い通りにいかないときなど、閉塞感を抱えているときにこそ試していただきたい方法です。
具体的には、冒頭のような考えが思い浮かんだとき、こんなふうに問いかけていきます。
「本当に今やっていることは正しいのかな?」
「100%そう言い切れるのかな?」
「それって思い込みじゃない?」
「世の中の人すべてが本当にそう感じている?」
こうして問いかけることで、自分の持つバイアスに気がつきやすくなり、現状を打破する発想も生まれやすくなります。