ネタをつくるために日常を観察している

芸人さんが「本番力」を発揮するために必要なのは、なんといってもネタです。芸人さん達は絶えず、何気ない日常をじっくり観察しています。私が提唱している「WADA式・陽転思考」に「検索」という考え方があるんですが、脳に検索窓のような場所があって、そこに入力するキーワードによって心の中が変わり、現実が変わっていきます。

検索窓に入れる言葉が「ツイてないな」「しんどいな」というようなネガティブなものだったら悪い結果ばかりが出てきてしまいますが、芸人さん達はずっと「何か面白いことないかなー」と検索していると思うんですね。だから世の中が面白く見えてくる。あるひとつのことを意識すると、それに関する情報が無意識に自分の手元にたくさん集まるようになる現象を「カラーバス効果」と言いますが、常にそういう状態なわけです。

「何か面白いことないかな」と検索する力

例えばひとりコントの横澤夏子さんの女性ネタ。よくある日常のシーンばかりですが、「面白いかもしれない」という目で見ているからネタになるんですよね。横澤さんも「ネタのモデルは自分の周りの女性たちで、彼女たちと話することから生まれてくる」とおっしゃっています。

また、お笑いコンビのチョコレートプラネットさんは、とにかく面白いと思ったものをスマートフォンの写真で撮りまくっておき、あとで見返すことによってネタにすることがあるそうなんです。これも「検索」のひとつですね。

もし「ネタが思いつかない……」と不安になって落ち込んでしまったら「面白いこと」を検索できなくなり、余計にネタが思いつかないという悪いスパイラルに入り込んでしまいます。でも、売れている芸人さん達は、ネタになろうとなるまいと「面白いことないかな」と検索し続けるクセが身についているのです。