SNSは便利だが、危険な側面もある。HONZ代表の成毛眞氏は「SNSには、消費者、一般大衆の話しか出てこない。だから素人の素人による素人のためのニュースが蔓延するという致命的な欠点がある」という――。

※本稿は、成毛眞『アフターコロナの生存戦略』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

スマホを使う女性の手元
写真=iStock.com/B4LLS
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SNSが発達しても情報の非対称は改善されていない

よく、SNSの発達によってかつては闇に葬られていた事実が明るみに出るようになったという人がいる。しかし、それはごく一部で、実際にはSNSを巧みに利用することで、隠されている事実のほうが多いのではないだろうか。

SNSの欠点は、消費者、一般大衆の話しか出てこないことだ。そして、消費者が消費者の話を聞いて納得しているだけで、そこには専門家の視点が欠如することになる。

いくらSNSが発達したからといって、情報の非対称性は改善されていないのだ。ある意味で、プロが意図的に素人を騙すこともできるので、安易に信用してはいけない。だからこそ、顔の見える付き合いのできる専門家とつながっていることが重要になるというわけだ。

知り合いも多いので気がひけるが、もはやメディアの人の多くも素人になってしまっている。スポーツ紙などが顕著な例で、「こたつ記事」というのが横行しているらしい。記者といえば、夜討ち朝駆けで徹底的にネタと向き合うイメージを持っている人はもう古い。