老後に向けて、どの程度備えればいいのか。HONZ代表の成毛眞氏は「介護格差は今後大きく広がるだろう。老後2000万円程度では、安心できなくなっている。少子高齢社会で長生きをするのはリスクになってしまう時代が来る」と説く——。

※本稿は、成毛眞『アフターコロナの生存戦略』(KADOKAWA)を再編集したものです。

車椅子で散歩するシニアとヘルパー
写真=iStock.com/imacoconut
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老後2000万円問題どころではない

コロナに目が行きがちだが、日本には他にも地震をはじめとする天災、さらには超高齢社会のリスクがある。老後2000万円問題で青ざめている場合ではないくらいの厳しい未来が待っている。

1億人を割りさらに減る日本の総人口
アフターコロナの生存戦略』(KADOKAWA)より

まず、これからの超高齢社会では介護職の確保が難しくなる。確保が難しいということは人件費が高騰するわけで、介護費用も連動して上昇する。いくらロボット技術が発達しても、人と同じ役割を果たすにはまだ時間がかかる。

外国人労働力に頼ればよいという意見もあるが、東南アジアが発展すればするほど、出稼ぎに来てくれる人はいなくなる。