新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの個人や組織が苦しい状況に置かれている。これからについて、どんな見通しを立てればいいのか。HONZ代表の成毛眞氏は、「経済やビジネスをマクロではなく、ピンポイントで個別にとらえる考え方が必要になってくる」と説く——。

※本稿は、成毛眞『アフターコロナの生存戦略』(KADOKAWA)を再編集したものです。

京都の町並み
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世界「全滅」ではなく個別具体的に考える必要がある

コロナの影響で世界は一変してしまった。IMFは2020年のGDP成長率はマイナス4.4%と予測。2021年以降どのようになるかは誰にもわからないが、経済学者やエコノミストがリーマン・ショックの比ではないというように、予断は許さないだろう。

IMFの世界経済見通し
アフターコロナの生存戦略』(KADOKAWA)より

2つシナリオがあるとすると、ひとつは柔軟な生活者の視点ともいえる「意外に早く戻る」という考え方。もうひとつはグローバルな政治経済構造をベースにした視点で「元には戻らない」とする考えだ。

いずれにしても、全世界が全滅するという話ではなく、国や地域だけでなく、業種業界によっても回復の速さや度合い、また今後の成長率の違いは出てくるため、個別具体的に考える必要がある。