人生を上向かせる秘訣とは
人生をラクにする、とんでもなく簡単なやり方がある。
それは「若者から好かれる」ということだ。いま私は47歳だが、人生がこの10年ほど自分の想像以上にうまくいった理由は、若者と仲良くできたからだと思っている。
私の考える「若者」とは、35歳を過ぎている当人から見て「自分よりも6歳以上、年下の人物」を指している。なお、34歳あたりまでは自身が「若者」当事者であり、そんな若者が自分よりも年下の人間のことを「若者」と呼ぶのは少し違和感がある。35歳ごろまでは「若者」にカテゴライズされる自分の立場や印象を活用し、「どうすれば年上にかわいがってもらえるか」を意識するほうが、人生はうまくいく。
私はウェブメディアという若い世代が続々と参入してくる業種で長らく仕事をしていたから、若者と付き合う機会が多かった。
2000年代初頭のネットニュース黎明期から現場で働き続けた私は、業界ではもはや「長老」的扱いである。下手をすると、若者から「老害」扱いされてもおかしくない年齢だ。だからこそ「老害」認定をされぬよう、相手の年齢に関係なく、常に敬語を使うなど丁寧な対応を心がけてきた。
そうした姿勢に好感を持ってもらえたのか、若者から飲み会などに頻繁に誘ってもらえるようになった。これが結果的に、自分の人生を上向かせたのだ。
「相手に好かれる」ことの重要性
若手に処世術を説くビジネス書などでは、よく「立場のある人を篭絡すべし」みたいな原則論が登場する。要は「かわいがられる若手になれ」ということだ。これは多額のカネを握っていて、決定権や発言力を備えている実力者に気に入ってもらえれば、仕事を獲得したり、出世したりするのに有利だよ、という論である。
この指摘は真理だと、私も思う。順調にキャリアアップするためには間違いなく、実力者から高い評価を受け、その人から重用されなければならない。これこそ、社会人になったらます真っ先に意識すべきことである。
若ければ若いほど「不器用なところもあるけど、何事にも一生懸命に頑張ってくれる」「まだまだ青いが、真面目に話を聞いて、面倒な業務にも嫌な顔せずに取り組んでくれる」といった低いハードルが設定されるものだ。社会人経験を重ねてハードルの難易度が上がってしまう前に実力者に存在を覚えてもらい、気に入ってもらえれば、以降の職業人生が格段にラクになる。
こうして、ある程度の地位を獲得したとしよう。そこから何をすべきかといえば、今度は「若者からいかに好かれるか」を考えることが重要になってくる。