その意味で、今生まれていることは、実は時間格差なのです。大変な時間格差が、とんでもないレベルで日々、生まれ、広がっているのです。

私のまわりを見ていても感じるのは、危機的な状況の中でも、どんどん変化したり、進化したりしている人が多いということです。ビジネスが厳しい状況にあっても、そこから進化していこうという動きをしている人たちも少なくない。

それができるのは、時間を有効活用しているから。通勤や移動時間、無駄な会議がなくなって、その時間を再投資しているから進化のスピードが速くなっているのです。逆に、時間をうまく使えずに浪費していたりすると、変化も進化もできない。ここで、大きな差が生まれてしまっているのです。

住む場所から解放され、ライフスタイルも選べるように

もう1つ、コロナで大きく変わったのが、場所の概念でしょう。何度も触れてきましたが、オフィスに出勤しなくてよくなった会社がとても多い。

というより、オフィスに出社してはいけない、というお触れを出した会社もありました。これは本当にかつてない事態です。会社に行ってはいけないわけですから。

会社に行かなくてよくなった、オフィスに通勤しなくてよくなった、ということは、リモートワークができるところであれば、どこでも働くことができるようになったということです。これは、住む場所の選択肢がとても広くなったということ。しかも、能動的に、自分で選べるようになったのです。

会社に近いとか、駅に近いとか、こうしなければならない、というところではなく、こうしたいというところが選べるようになった。こんなライフスタイルで暮らしたいという場所を、選ぶ自由を手に入れることができるようになったのです。

フリーランスの自由な仕事のおかげで、外出先で仕事をする女性
写真=iStock.com/luza studios
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ここでも、通勤しなければならない会社がどこどこにあるから、という消極的な選択から、ここに住みたいから住むという積極的な選択ができるようになってきたということです。

都心一極集中から地方に分散する流れ

これまでも、サーフィンが大好きで、茅ヶ崎ちがさきや湘南に家を構えている人たちは少なくありませんでした。ただ、そこから都心に通勤するとなると、2時間近くかかる。この長距離通勤が、サーフィン好きには大きなネックになっていたのです。

しかし、これからは通勤がなくなる。あるいは、週に数回の通勤で済むようになる。そうであれば、サーフィンがいつでもできる茅ヶ崎や湘南に住みたい、という人はどんどん増えていくと思います。実際、そういう動きは加速しているようです。