これまでの都心一極集中から、地方に分散するという流れは、これまでなかったほどのスピードで広がっていくことになるのではないでしょうか。仕事のために、仕方なしに都心に住んでいた人たちが、どんどん出て行く可能性がある。

また、親の介護、子どもの教育などで地方に住むことを考えていた人たちにとっても、この流れはとてもありがたいはずです。

もちろん、自然が好きだから、といった積極的な理由によって移住していく人も増えていくと思います。さっそく長野に住み始めた知人から、「自然の近くにいるありがたみを感じています。自分には自然が必要だとわかりました」という連絡をもらったりしています。

自然の中を散歩するだけでも気分が断然よくなることを改めて感じたそうです。やはり住む場所は、極めて重要なのです。

ヤフーの役員も移住を決断した

時間と場所に縛られない新しい働き方にチャレンジしようとしているヤフーでは、友人でもある取締役常務執行役員の宮澤弦さんが、6月に東京の家を引き払って、軽井沢に家族で完全移住してしまいました。

自ら新しい働き方を体現したかった、と語っていましたが、もちろん地方移住をずっと考えていたのだと思います。それが可能になる時代が、コロナによってやってきてしまったのです。そして、役員という要職にありながら、あっさりと移住を決断してしまった。

彼のFacebookには、「今週Zoom以外で会ったのは、子熊に野ウサギ、フクロウなど人間以外の動物達ばかりです」と書かれていました。

野原で休むウサギ
写真=iStock.com/Andyworks
※写真はイメージです

住む場所を選び、自分のやりたいライフスタイルを、堂々とできるようになった。これもまた、コロナの大きな恩恵でしょう。こうしたい、という積極的な意思のある人にとっては、本当に魅力的な状況がやってきているのです。

逆に、自分に意思がなければ、その恩恵を活かすことができません。自分に心地よいライフスタイルはどんなものなのか、改めて考えてみることです。それは、間違いなく人生の充実につながっていくと思います。

勝手な思い込みがポテンシャルを制限している

仕事はオフィスでなくてもできる。仕事とプライベートの境目はなくなる。これは、私自身が10年以上にわたって、ずっと訴え続けてきたことでした。好きな場所に住み、好きな場所で仕事をする。それは可能なのです。

実際、私は東京とハワイのデュアルライフを10年以上にわたってやってきました。また、世界中を旅しながら、いろんな仕事も推し進めてきました。ハワイや旅の日々はプライベートでもあり仕事でもあり、そこには境目はありませんでした。