世界で140以上の製薬会社が研究開発を行うワケ

WHO(世界保健機関)によれば、世界で140以上の製薬会社が新型コロナワクチンの研究開発を行っている。これだけ多くの製薬会社がワクチン開発に乗り出すのは、「成功すれば儲かる」という判断があるからだ。製薬では利益よりも安全を優先することが欠かせない。過去の薬害事件はその苦い歴史である。

沙鴎一歩はワクチンがすべて問題だとは考えない。安全で有効なワクチンも多い。しかし、今回の新型コロナのワクチンには未知の部分が多く、どうしても不安が残る。

新型コロナウイルスは日本では8割以上の感染者が他人に感染させていないし、感染しても80%以上が無症状あるいは軽症で治癒している。どのような患者が重症化するのかはわかってきており、重症化を防ぐ治療方法も確立しつつある。しかも日本の人口100万人あたりの感染死者数は欧米の数十分の1~100分の1以下とかなり低い。

こうした観点から見ると、日本に本当に新型コロナのワクチンが必要なのだろうかと思う。

ワクチンは薬と同じく両刃の剣である。役立つ反面、危険なところもある。バランスを取ることが大切だ。日本は欧米の接種動向とそれにともなう副反応の出現を注意深く見ながら、新型コロナに対する今後のワクチン政策を行っていくべきである。ワクチン接種で重い副反応が多く出るようならそれこそ、本末転倒だ。

朝日社説はワクチンのリスクに正面から触れていない

12月10日付の朝日新聞の社説は「ワクチン接種 国の貧富問わず供給を」の見出しを付け、「暗闇の中にほの見えた光は、世界中の人をあまねく照らさなければなるまい」と書き出す。

通常、社説は冒頭で読者を引き込む必要がある。それだけにこの朝日社説を書いた論説委員は熟慮したのだろうが、見出しも書き出しもこれではいただけない。まるでワクチン礼賛の社説である。なぜ、ワクチンのリスクに正面から触れようとしないのか。

朝日社説は書く。

「新型コロナウイルスの感染者は6800万人を超え、150万人以上の命が奪われた」
「異例の早さで承認されたことから、効果や安全性に対する疑問の声もある。それでも、感染拡大を食い止める切り札となることへの期待は大きい」

感染の拡大を防いで死者の数を減らせれば、副反応は二の次ということなのか。沙鴎一歩にはこの朝日社説が納得できない。