手軽に年金を増やせる「付加年金」

最も手軽に年金を増やすことができるのは、「付加年金」です。

付加年金とは、付加保険料として400円を任意で支払うことで年金額が増えるもの。付加年金額は「200円×付加保険料納付月数」で算出され、仮に240月(20年)納めると、4万8000円、年金が増えます。2年間でモトがとれる計算です。

付加保険料を納めるためには、市区町村役場の窓口に申込みが必要です。後日、付加保険料の納付書が送付されますから、金融機関やコンビニなどで納めます。国民年金保険料を前納で納め済みの場合は、別途、付加保険料のみを納めることができます。

日本の年金手帳
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ただし、後述する「国民年金基金」に加入している場合、付加保険料を納めることはできないので注意が必要です。

国民年金基金で終身年金を増やせる

自営業やフリーランスが国民年金の上乗せとして利用できる制度には、「国民年金基金」と「確定拠出型年金(iDeCo)」があります。

国民年金基金は自営業やフリーランスが任意で加入できるものです。65歳から一生涯受け取れる終身年金を基本に、一定期間だけ受け取る確定年金や、受取開始が60歳からのタイプなど、7種類があり、一定の範囲内で組み合わせることができます。

掛金は加入するタイプや年齢、性別によって異なり、掛金の上限は月額6万8000円です。掛金は全額、所得から差し引くことができ(所得控除)、課税所得が減る分、所得税と住民税が軽減されるメリットがあります。税負担を抑えながら、老後資金の準備ができるというわけです。

例えば30歳(1990年12月1日生まれ)の人が加入する場合について見ていきましょう。

終身年金B(65歳からの終身年金。保証期間はなし)に1口加入した場合、掛金は1万2010円(女性の保険料。男性では9650円)です。60歳までに支払う掛金の合計は約431万円で、65歳から一生涯、月額2万800円、年額24万9300円の年金が受け取れます。

またこのケースで課税所得金額が200万円の場合、所得税・住民税の節税効果は年間約3万円で、実質的な掛金の負担は約11万5000円です。

ちなみに、受給前あるいは受給から15年以内に死亡した場合に遺族に一時金が支給される終身年金Aというタイプでは、1口の掛金は1万2500円(女性の保険料。男性では1万740円)です。国民年金基金の公式サイトでさまざまな加入プラン例が紹介されていますし、各種の試算もできます。