森田療法式「欠点を見ないで目標を見る」
それでもやはり劣等感にとらわれてしまう、という人には「欠点を見ないで目標を見る」という、森田療法の方法をお勧めします。赤面症に悩む、もうひとりの学生さんとのやりとりを再現してみます。
【学生】「子どものころからの赤面症がひどくなって、最近はうつ状態です」
【和田】「顔が赤くなると、なにがマズいのかな?」
【学生】「ヘンな人だと思われます」
【和田】「そうか、あなたは人に好かれたいんですね」
【学生】「……でも、こんな顔ではムリです」
【和田】「うーん、私も精神科の医者を長くやっていますが、顔が赤くなるけれど愛されている人は何人も知っていますよ。もっと知っているのは、顔が赤くならないのに嫌われてる人です」
【学生】「それは目からウロコです」
【和田】「私には赤面症は治せないけれど、あなたが好かれる方法……印象を明るくするとか、話がはずむ方法とかなら、一緒にいくらでも考えられますよ」
【和田】「顔が赤くなると、なにがマズいのかな?」
【学生】「ヘンな人だと思われます」
【和田】「そうか、あなたは人に好かれたいんですね」
【学生】「……でも、こんな顔ではムリです」
【和田】「うーん、私も精神科の医者を長くやっていますが、顔が赤くなるけれど愛されている人は何人も知っていますよ。もっと知っているのは、顔が赤くならないのに嫌われてる人です」
【学生】「それは目からウロコです」
【和田】「私には赤面症は治せないけれど、あなたが好かれる方法……印象を明るくするとか、話がはずむ方法とかなら、一緒にいくらでも考えられますよ」
治しようのない欠点のことを悩んでも、ラチがあかない。だから「なりたい自分」に向かって「改善」を工夫して自分を高めよう、という考え方です。
最良の克服法は「得意で熱中できるもの」を伸ばす
そして、すべての劣等感の、最良の克服法は「ひとつでいいから、自分が得意で熱中できるものを、脇目も振らず伸ばす」こと。
たとえば私は小学校のとき、そろばんを始めたところ1年で3級になることができました。それが大きな自信になって、学校でイジメられても、運動音痴でも、メゲずにいられました。そろばんつながりで算数・数学が好きになり、それを伸ばして東大に入り、医者になりました。
年収数億円のユーチューバーが続出するなど、特技を生かせる仕事の幅は広がっています。目標を立てて得意なことに打ち込めば、気づいたら劣等感なんて吹き飛んでいますよ。