ひどい目に遭わされた相手は「うらんでもいい」

いじめの話をしましたが、弱点やコンプレックスを武器にできる人がいる一方で、自分がひどい目に遭わされた相手に対し、「許せない」という気持ちから抜け出せない人もいます。どれだけ時間がたっても、くり返し、くり返し、ドロドロとしたうらみがわいてきて苦しい、というパターンです。

この場合、弱点を武器にするどころの話ではありませんね。

生きていく中で、家族や他人に対しうらみのような感情を抱えてしまうこともあると思います。そういう人に対し私は、「うらみ続けていい。許さなくていい。無理して消すことはないんだよ」と伝えるようにしています。自分の本当の気持ちを受け入れると、少し気がラクになるのです。

手を握りしめて絶叫する女性
写真=iStock.com/Prostock-Studio
※写真はイメージです

そのうえで、「動いて気分転換」を試みます。ドロドロした感情は「手洗い」「うがい」「トイレ」「シャワー」「洗濯」など、水に流すアクションですっきりしやすいです。

うらみを受け入れた後は「損得」を考える

うらみがわくたび、「うらんでもいいんだ」と受け入れて気分転換していると、そのうち、ちょっと飽きてくるかもしれません。そこで次に「損得」を考えてみます。

どうしても許せないアイツは、いま、どこでどうしていると思いますか? あなたを傷つけたことを深く悔やんで、つらい毎日を送っているでしょうか?

残念ながらおそらく、きれいさっぱり忘れて元気に生きているでしょう。にもかかわらず、あなたはずっとうらみにとらわれ、長いこと苦しみ続けている。

「ああ時間がもったいない、バカバカしい」そう思えたら、うらみの手放しどきです。「おまえを許す。サヨナラ」と、洗面台にでもジャージャー流してしまいましょう。