「広島3区」問題は、「岸田包囲網」の様相を呈し始めた

山口氏と菅氏が会談した11月19日。岸田氏は二階俊博幹事長、山口泰明選対委員長と会談した。二階氏は「自民党の公募を続けてほしい」と語ったという。一応、党県連の方針が認められた形で、岸田氏も一息ついた。

が、機を見るに敏の二階氏のこと。いつ方針を豹変させるか分からない。そもそも二階派と岸田派は、静岡5区、山口3区で次の衆院選公認候補をめぐって、つば競り合いを繰り広げている。二階氏は岸田氏の味方ではないのだ。広島で岸田氏にダメージを負わせ、広島、山口の調整も優位に進めようと考えても不思議ではない。

そして党総裁である菅氏の決断も岸田氏にとっては心配材料だ。公明党の支持母体である創価学会との独自のパイプを持つ菅氏は、公明党との関係を重視する。総裁の判断に委ねられれば「広島3区は譲る」となるのではないか。そもそも、広島県以外の自民党議員は「独自候補を出しても苦戦する。与党の議席を維持できるなら公明党に譲ればいいではないか」という声が多いのも事実だ。

「広島3区」問題は、自公両党の問題ではあるとともに、「岸田包囲網」の様相を呈し始めた。

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