国算理社不要「ナゾ解き入試、読書感想文入試、自由研究SDGs入試」
2021年に新設される入試としては、以下のようなものがありますが、これらの入試は、1入試ごとにバラバラで、共通する対策がとれないという面があることに注意が必要です。
リアル脱出ゲームを手がける会社と学校がタッグを組んだ入試問題
――本当に面白い入試が始まっていますね。一昔前には考えられませんでした。特に、吉祥寺にある藤村女子の「ナゾ解き入試」や逗子にある聖和学院の「ビブリオバトル入試」には興味がそそられます。
【安田】藤村女子の「ナゾ解き入試」は、数多くのリアル脱出ゲームを手がける「SCRAP社」とタッグを組んで実施するものですが、国・算・理・社の内容に即した全10問の謎を解き考察力・発想力などを測定し、その後、グループ形式で30分程度の謎解きをしながら課題を解決し、窮地からの脱出を目指すことで、行動力・会話力・洞察力などをみて、合否を判断するものと聞いております。
一方、聖和学院の「ビブリオバトル入試」ですが、聞き馴染みがない言葉かもしれませんね。この「ビブリオバトル」は2007年に京都大学大学院の大学院生だった谷口忠大氏(現立命館大学理工学部教授)が考案したゲームです。参加者が面白いと思った本をひとり5分で紹介し、それぞれの発表の後、参加者全員で本に関するディスカッションを2~3分で行い、どの本が一番読みたくなったか? という投票をする書評合戦です。聖和学院は2016年に「高校生ビブリオバトル関東甲信越大会」で優勝しているほどの強豪校ですので、これを入試に導入したのも合点がいきます。