IPアドレス開示請求
図表=KADOKAWA『おとめ六法』
上谷 さくら(著)、岸本 学(著)、Caho(イラスト)『おとめ六法』(KADOKAWA)
上谷 さくら(著)、岸本 学(著)、Caho(イラスト)『おとめ六法』(KADOKAWA)

「匿名アカウント」が誹謗中傷などの被害を受けたときは、その相手に法的責任を問えるでしょうか? というのも、匿名アカウントに対しての誹謗中傷は、その持ち主の「本人」に対するものではない、とも考えられるからです。

匿名アカウントは、法的には保護しなくていいという考え方もありえます。この問題にはまだ最高裁判所による判例はありませんが、加害者に法的責任を問える場合もあると考えられます。

なぜならば、その行為が名誉毀損をされたアカウントの「社会的な評価」を低下させるからです。

匿名アカウントで被害を受けても罪は認定される

SNSなどの限定された「世界」でも、そのアカウント自体の評価はあり、その評価は「社会的な評価」といえる可能性があります。

アカウントの「社会的な評価」が低下すれば、そのアカウントを使った活動に差し障りが生じるなど、「本人」にとって実害が発生する場合もあるからです。最高裁判所ではありませんが、実際に匿名アカウントに対する名誉毀損を認めた裁判例もあります。

【あなたを守る法律】
刑法 第230条 名誉毀損
1 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役、もしくは禁錮、または50万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
刑法 第231条 侮辱
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留、または科料に処する。
【関連記事】
「痴漢された」と娘に相談されたときに絶対に言ってはいけない言葉
「女性はいくらでも嘘をつける」でわかった日本女性を苦しめる最大の原因
殺害予告を繰り返すネット民と面会した弁護士が心底驚いたこと
面接で、ヤバい人は「たった2つの質問」で見抜ける!