食品ロスが減れば、回り回って消費者にとっても“お得”
この見直しにより、食品廃棄の削減のほか、厳しい納品と返品の改善等により、人件費や物流コストの削減も見込まれています。
残念ながら、大手はルール変更したものの、業界ではまだ3分の1ルールに沿った納品や販売を求める業者が少なくないとのこと。慣習にこだわる業者がいるほか、消費者の反感も恐れているようです。
たしかに、消費者は、購入した後の賞味期限までの期間が短くなる可能性があります。しかし、安全性や品質に問題があるわけではなく、その状態を了承しており期限内に食べればよいわけです。また、賞味期限切れが近くなり値下げされれば消費者にも直接的なメリットがあります。
諸外国は納入期限を2分の1や3分の2にするのが一般的。それにより食品ロスが減り人件費や物流コストが下がれば、回り回ってやっぱり消費者にとっても“お得”。消費者の理解が3分の1ルール撤廃の鍵を握ります。
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期限表示は簡単に見えて非常に複雑です。結局、いつまで持つかは食品によって大きく異なるので、この食品であれば賞味期限切れ後1年、あれは半年後まで食べられる……というような一般化はできません。歯切れの悪さをお許しください。まずは、製造加工や包装を施しその食品を熟知している事業者に尋ねてみるのをお勧めします。
今後は、事業者自身が積極的に食べられる期間を広報し、消費者もその情報を基に科学的に判断して食べる、という好循環を構築し、食品ロス削減へとつなげたいものです。
<参考文献>
コープこうべ・食品ロス削減
厚労省・リステリアによる食中毒
農水省・1/3ルール等の食品の商慣習の見直
農水省・食品ロス削減に向けた納品期限緩和の取組の進捗と今後の展開について