トランプと不倫関係にあったスター女優の末路

この『ニューヨーカー』の記事を執筆したのはローナン・ファローだ。女優ミア・ファローとウディ・アレンの息子である。実は、記事執筆の動機となったのは父ウディ・アレンの養女たちへの振る舞いであった。養女ディラン・アレンは以前から性的虐待に遭っていたことを告発していたが無視されてきた。これが、「Me Too」運動とともにようやく認知されたのである。

ローナン・ファローは2016年から一連の事件に関する記事をしたためてきたという。そのファローは性被害の実態を暴いた功績を称えられ、ニューヨークタイムズの記者2人とともにピュリッツァー賞を受賞した。

クリントン大統領との不適切な関係で追い詰められたモニカ・ルインスキーは、「MeToo」運動が自身の名誉回復のきっかけとなった。関係が発覚した当時は、人気のある大統領をたぶらかした若い女性とのそしりを受けていた。当時の状況を詳細に書いた特別検察官ケネス・スターのレポートは議会の公開情報としてインターネットで公開されたため、ミリオンセラーの小説のように全米で読まれたのである。

この「MeToo」運動を受けて、トランプとの不適切な関係を告発する女性も現れた。ポルノ界のスター女優ストーミー・ダニエルズが「かつて不倫関係にあった」と告発し、その口止め料としてトランプの弁護士から13万ドルを受け取ったと明かしたのだ。これに対して、トランプは「完全なでっち上げだ」とツイッター上で反論した。

すると、ダニエルズはそのツイートが「名誉棄損に当たる」として提訴したのである。この裁判は、2018年12月に訴えが棄却され、ダニエルズはトランプの訴訟費用など約30万ドルの支払いを命じられることとなった。トランプを訴えれば大きなしっぺ返しを受けかねないことを示した裁判だった。

バイデンの人と接する距離は“近すぎる”

一方、バイデンも何度かセクハラ被害を訴えられている。2019年には民主党所属の元ネバダ州議会議員が「2014年の選挙活動中に、背後から迫られて後頭部にキスされた」と告発した。同じく2019年にはコネティカット州選出の民主党下院議員の側近が、「顔を両手で包んだうえで、鼻をこすり合わされた」と訴えている。

横江公美『隠れトランプのアメリカ コロナ感染から奇跡のカムバックでトランプが勝つ⁉』(扶桑社)
横江公美『隠れトランプのアメリカ コロナ感染から奇跡のカムバックでトランプが勝つ⁉』(扶桑社)

今回の大統領選挙中には、バイデンが上院議員だった時代に事務職員を務めたという女性が「首や腰を触られた」と告発した。バイデンは一連の疑惑を否定する声明を発表しているが、実はバイデンの人と接する距離が“近すぎる”ことは以前から問題視されていた。

副大統領時代のバイデンは、60歳以上の女性から絶大な人気があった。バイデンが登場するだけで、黄色い声援があがったものである。年配の女性からは、「オバマよりもセクシーだ」と評判だったのだ。その成功体験があるせいか、女性との距離を縮めることに躊躇しない。

バイデンの女性問題は大統領選挙の行方を左右するような大きな問題ではないが、ミレニアル世代からの評判は悪いと聞く。オールドスタイルの対人コミュニケーションは、徐々に支持を失う可能性がある。

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