秋田県のイチゴ農家に生まれ、たたき上げの菅義偉新首相が誕生した。総裁選の最中、他候補者が抽象的な政策を述べる中、菅氏が言及した政策は極めて具体的だった――。

菅新首相しか解決できない日本国の真の課題

筆者は菅義偉新首相が総裁選で言及した政策群も含めて、同政権の在り方を「イチゴ革命」と名付けようと思う。

日本のパワー、東京のエネルギー・ビーム。照らされた都市および人口密度区域が付いている暗い地球儀。3dイラストレーション
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日本でイチゴ生産が本格的にスタートしたのは、1900年前後に欧米から持ち帰った品種の生産が行われるようになってからだ。その後第二次世界大戦の影響で一時栽培が禁止されたが、55年前後からビニール栽培手法が確立したことで大規模な生産が開始されることに。菅氏の父が米だけでは食べていけないとして、戦後に家業をイチゴ栽培に転じたのもこの時期だ。そしてその後イチゴは日本人の食卓の特別なデザートとして徐々に普及してきた。

イチゴ栽培は非常に高利益率の事業として知られている。その収益率を稼ぎ出すのは、イチゴを利用したビジネスモデルの数々である。イチゴ本体はケーキ、ジャム、ドリンクなどの様々な形状で販売されるとともに、その栽培空間を利用したイチゴ狩りなどのレクリエーションも広く国民に親しまれている。つまり、イチゴ栽培とは単純な作物栽培ではなく、流通・加工・タイミングなども考慮した「仕組みづくり」で稼ぐ産業だ。