「なんでこんな子が生まれてくるの?」と言われた

「ソラ君はリク君のことをどう思っているんですか?」
「複雑みたいです。『どうして違う学校なの?』とか、『なんでこんな子が生まれてくるの?』とか……そういうことを言うんです」
「そうですか。難しいですね。そういうとき、お母さんはソラ君にどう説明するんですか?」
「『変な子じゃないよ。一生懸命生きている子だよ』って。『そういうことはお母さんには言ってもいいけど、外では言わないでね』って」
「6歳だと自閉症のことを理解するのは、ちょっと難しいですよね……」
「B小学校まで遠くて、送り迎えが大変なんですけど、私、少しがんばってみます。ただ、学年が違えばソラとリクは同じ小学校に入ることができたと思うんですよね。きょうだいで、同学年で、弟に障害があると、お兄ちゃんは気を使ってしまうと思います。やむを得ないとは思いますが、少し可哀想です」

みんなで公園に行っても、リク君から目が離せない

久しぶりにソラ君とリク君とウミちゃんが風邪で受診しました。診察が終わってソラ君とウミちゃんは診察台に腰掛けて本を読んでいます。リク君は椅子に座ったり立ったりしています。いつものように「んん~、んん~」と声を出しています。

「お母さん、リク君は自宅ではどんな遊びをしているんですか?」
「YouTubeです。スマホで見たり、テレビに接続して見たり。いつも一人で、ずっと喋ってます。唄ったり、笑ったり。それからクレヨンで絵を描くのも好きですね。だけど紙がないとパニックになりますけど」
「きょうだいで遊ぶことは?」
「ソラはリクの面倒を見てくれますよ。一緒に遊んで。でも、リクはおもちゃを破壊しちゃったりするんです。分解してどうなっているのか知りたいんだと思います。でも、それでリクはソラに怒られちゃうんです」
「それでは二人ともストレスがたまっちゃいますね。外では遊ばないんですか?」
「みんなで公園とか行くんですけど。リクは迷子になってしまうんです。とにかく目が離せなくて。怖い思いもしたみたいで、車をすごく怖がるんです」