「アマビエになりたかった」ロールケーキを発売

もうひとつ、コロナ禍の行き詰った雰囲気を打開しようとしている企業がある。

山口県の銘菓「月でひろった卵」を販売する「あさひ製菓」(柳井市)。今年のハロウィンは家の中で楽しむ人が増えるのではないかと見込んで、ユニークなハロウィン専用のケーキを作った。その名も「アマビエになりたかった……本マグロール」だ。

もともとは立体型のマグロの形をしたケーキ。釣り好きのお父さんへの誕生日プレゼントとして、「自宅でもマグロの解体ショーができる」というキャッチフレーズで、あさひ製菓のオンラインショップでも人気商品のひとつになっていた。その商品を疫病退散の妖怪「アマビエ」に仮装し、限定商品として売り出すことにしたのだ。

「アマビエになりたかった……本マグロール」
「アマビエになりたかった……本マグロール」(画像提供=あさひ製菓)

「今年のハロウィンはアマビエに仮装する人が多いはず。家の中で楽しめる本マグロールをアマビエに仮装させて、暗い雰囲気を吹き飛ばしてもらおうと思ったんです」(統括本部長・浜岡賢次さん)。

マグロの中身はイチゴのロールケーキとジュレでできているため、切った時の見た目は赤身のトロそのもの。アマビエの派手な鱗と髪の毛は生クリームで装飾した。一般的なバースデーケーキよりも手間は3倍以上かかっており、もちろん味は保証付きだ。社内で行われた試食会では、スタッフから笑い声が絶えなかったという。

「お客様も明るいことを探している」

「サンタになった本マグロール」
「サンタになった本マグロール」(画像提供=あさひ製菓)

発売と同時に評判となり、9月下旬には第二弾として、本マグロールがサンタに仮装した“クリマスマスバージョン”が発売されることになった。マグロが白いひげを生やし、その上にいる小さなきこりの人形がマグロを切断しようとしているという、なかなかシュールなケーキだ。

「暗くなってもしょうがないですからね。お客様も楽しくて明るいことを探していると思うので、こういうケーキが世の中に1個ぐらいあってもいいんじゃないでしょうか」

浜岡さんの声は明るい。