勢いのある企業に共通する「サービス精神」の強さ

お土産業界が意気消沈としている中、取材した3社からは勢いが感じられた。世の中の風潮に合わせて、自分たちも一緒になって暗く落ち込んでいる雰囲気は微塵も感じられなかった。

今回、ここで紹介した企業の取り組みは、売上全体から見れば小さなものかもしれない。何もしていない企業から見れば「そんなことやって何の意味があるのか」と、斜に構えて見ているところもあるはずだ。

しかし、企業が「なんとかしよう!」と思って動き出した取り組みは、確実にお客様の気持ちを明るくさせている。これらの販促企画が直接売り上げに結びつかなくても、この情報に触れたお客様は、「あのお土産品をまた買おう」と思うはずだし、地域のために頑張っている企業の姿は、地域の人の心を揺さぶり、応援消費につながっていくに違いない。

お土産品というのは、相手に喜んでもらおうという思いから購入する商品である。どんなに世間が暗い雰囲気になろうとも、「相手を喜ばせたい」というお客様の気持ちは変わらない。そして、そういう思いを大切にしたいというのが、お土産品を取り扱う企業の強い思いでもある。

コロナ禍の厳しい中で、必死になって頑張る企業と、立ち止まって何もしなくなる企業の違いは、「お客様に喜んでもらいたい」という企業の姿勢の表れなのかもしれない。

今回紹介した3社のように、商売の本質でもある“サービス精神”を強く持つ企業が、アフターコロナの世界でも生き残っていけるのではないだろうか。

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