「めんべい」にお絵かきできるキットを販売

コロナ禍になって、逆に販促企画に力が入る企業もある。

福岡のお土産品などを取り扱っている総合食品メーカーの「山口油屋福太郎」(福岡市)。コロナ禍でユニークな企画を積極的に展開して、お客様の注目を集めている。

「3月と4月は大きな打撃を受けました。でも、社内では『なんとかしよう!』という雰囲気が高まって、今まで以上にスタッフが販促企画に率先して取り組むようになりました」(企画室広報担当。平尾リサさん)

5月には本社駐車場を活用して、ドライブスルーによる明太子や新鮮野菜の販売イベントを開催。地域のお客様が駆けつけて即完売となった。直営店・オンラインストアでは自宅で明太子のアレンジが体験できる「手作り明太子キット」や、明太子風味のせんべい「めんべい」に絵が描ける「めんべいお絵かきキット」を販売して、おうち時間を過ごす商品企画でお客様を楽しませた。

「めんべいお絵かきキット」
画像提供=山口油屋福太郎
「めんべいお絵かきキット」

総菜や冷凍食品の配送も始めた

8月にはエリアと期間を限定して、社内のスタッフがお総菜や冷凍食品を配送する「おうちご飯をお届けします」もスタート。こちらも地域のお客様からコンスタントに注文が入り、好評だという。

しかし、売り上げが厳しい中、新しい企画を打ち出すのは精神的にも大変なはず。なぜ、山口油屋福太郎は動きを止めないのか。

「コロナ下で世の中が大変な状況だからこそ、『お客様のためにやれることは何でもやろう』という気持ちが社員の間で強くなったんだと思います」

9月の4連休には直営店や卸先でも、売り上げ回復の兆しが見え始めているという。平尾さんいわく、まだまだ新商品や新企画が登場するので、楽しみにしていてほしいとのことだ。