それを続けていくうち、他の民族や階層を排除して自分たちの日頃の主張が実現しても、輝かしい未来がそこにないことにみんなが気づいたそうです。つまり、たとえ不倶戴天の敵であっても、相手の主張を聞き入れ、互いに譲り合うことが結局は未来につながることに気づき、最終的にアパルトヘイトが解消されたのです。

この手法は企業の中でも十分使えます。たとえば営業と開発がざっくばらんに話し合うオープンな場を設けてみてください。開発部門の人はこう思うかもしれません。「自分たちの主張を通したら、仕事がやりやすくなって、革新的な商品がいくつも生まれるかもしれない。でも、マーケット動向を外した商品ばかり出すと会社の将来はないな。もう少し、営業からの情報にも耳を傾けてみようか」と。対話をすることで、相手に「変われ」というだけではなく、自分自身も変わらないといけないことに気づくわけです。

誰もが組織を変えられるのに、誰もそのことに気づかない

このように、「これがおかしい」「本来はこうあるべきだと思う」という青臭い気持ちを大事にしてください。それはみんなのためにいいことかどうかを何度も検証し、答えがYESなら、「ここがおかしい」と職場で声を上げてみることです。

賛同者が必ずいるはずですから、まずは行動してみる。対話してみる。職場の信頼を回復させる重要な一歩はそこから始まるのです。

誰もが組織を変えられるのですが、その可能性に気づいている人は思いのほか少ないというのが私の実感です。繰り返しますが、変革の意思をもち、実行できるかどうかは役職とは無関係です。

次に「空間」の点数が低かった場合はどうすればいいでしょうか。みんなが集まって気軽に話せるスペースがない場合はそれをつくるのが先決です。すでにある場合、植木でもホワイトボードでも何でもいいのですが、衝立や目隠しになるものがあるかどうかチェックしてください。別に秘密の話を奨励するわけではないのですが、そういう遮蔽物がある場所のほうが人は安心して集まることができます。