読売新聞は、特別編集委員の橋本五郎が「総括 安倍政権」を書いている。そこで橋本は、支持率が落ちたのは、「モリ・カケ」問題や「桜を見る会」への対応の影響が大きかったとし、「そこで問われたのは一言で言えば、『正直さ』であり、誠実に答えていないと国民に思われたのである。

不支持の最大の理由が『首相が信頼できない』というのもこのことを裏付けている」さらに、「大事なことは、正直に政策意図を説明し、『仁王立ち』で国民を守ろうとする姿勢だったのではないか。そのことが欠如していたのではないか」と斬り捨てる。

そんな安倍に寄り添い、ご意見番になっていたのはあんたのところの主筆だったではないかといいたくなるが、早くも安倍離れということか。

メディアの関心は早くも「ポスト安倍」に

産経を除き、安倍の業績評価については厳しい見方が多い。温かいねぎらいの言葉をかけてくれたのは、安倍が尽くし続けたトランプ大統領だった。

「『私の素晴らしい友人であり最大限の敬意を払う。彼にとって辞任はつらかったに違いなく、とても気の毒に思う』と話した」(朝日新聞デジタル8月29日 16時30分)

人心は移ろいやすい。わずか半日で、早くもメディアの関心はポスト安倍へと移ってしまった。

それも、「後継首相は、こうした憲法を軽んじ、統治機構の根腐れを生んだ『安倍政治』を、どう転換するのかも問われることになる」(東京新聞社説)「今回の総裁選では、安倍政権の政策的な評価のみならず、その政治手法、政治姿勢がもたらした弊害もまた厳しく問われねばならない」(朝日新聞社説)と、安倍政治を反省し、それから脱却せよというものが多い。

安倍首相はこれを読んで、「やれやれ、オレのやってきたことは何だったのか」と、妻の昭恵に愚痴っているかもしれない。

「悲劇の宰相」というイメージをつくり上げようとした

ところで、私はこのコラムで、FLASHに「吐血情報」をリークしたのは、反安倍ではなく、頑として病院へ行かない安倍の病状を心配して、「慶應大学病院へ行ける」環境づくりをしようと考えた人間ではないかと推測した。

どうやらその見立ては間違っていなかったと思う。今回の突然のように見える辞任が、その延長線上にあったのではないかと考えている。

安倍の持病である潰瘍性大腸炎が相当悪くなっていたことは、本人も会見で認めている。この病気は下痢と激しい痛みを伴うといわれる。

それを和らげるためにステロイドを使っていたようだ。だがステロイドには、「副作用としては、うつ病や顔がむくんだり、丸くなる満月様顔貌などの症状が出る可能性がある」(おおたけ消化器内科クリニックの大竹真一郎院長=週刊ポスト)そうだ。

そのためもあるのだろう、やる気がない、国会に出たくないと、安倍の気力が衰えてきた。辞任のふた文字がちらつき始めたのは、安倍のいう、再発の兆候が見られた6月あたりからではないのか。