夢を叶えた人たちは、共通して「そんなことは無理だ」と言われるような壮大な夢を思い描いている。作家の本田健氏は「自分がなりたい姿をイメージすれば自動的に夢は叶う。それは脳の仕組みを考えればよくわかる」という——。

※本稿は、本田健『仕事消滅時代の新しい生き方』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

自分の夢を書き留める女性
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです

本田宗一郎は、先に未来を決めていた

新しい一歩を踏み出そうというときジャマをするのが、過去の記憶です。

「親があの程度だから、自分もその程度」
「有名大学を出たわけでもないのに、出世なんかできっこない」
「こんな弱気な性格じゃ、どうせ無理」

そんな理由で、尻込みしている人はいませんか?

「過去がこうだったから、未来もこう」と、過去の延長線上に未来を見て、自分で自分の限界を決めつけているのです。

だから、夢を描こうとしても「どうせ不可能でしょ」と否定してしまいます。

時間の流れの概念を、変えてみてはどうでしょう。

時間は、普通「過去→現在→未来」へ流れると考えられています。

けれど、「たった今このページを読んでいるあなた」は、次の瞬間にはもう過去です。

ということは、現在のあなたの行動が過去をつくっているのであって、過去が現在のあなたをつくっているわけではありません。

だとしたら、こう考えられませんか?

時間は「未来→現在→過去」と流れているのだ、と。

本田健『仕事消滅時代の新しい生き方』(プレジデント社)
本田健『仕事消滅時代の新しい生き方』(プレジデント社)

過去はすでに遠ざかったものですから、それに縛られる必要はありません。

ネガティブな過去にとらわれて、劣等感を持つ必要もありません。

未来にはたくさんの可能性があり、どうなりたいかはあなたの選び放題です。

そして、自分が思う最高の未来を設定しさえすれば、時間はそこから逆走し、今のあなたを自動的に変えてくれるのです。なぜなら、未来を先に決めることで、そのために今何をすべきかがハッキリとわかるからです。

私はこれを「未来逆算で生きる」と呼んでいます。

たとえば本田宗一郎氏は、貧しい鍛冶職人の家に生まれ、15歳で自動車修理工場の丁稚でっちになりました。過去が未来をつくるなら、今の“世界のホンダ”は存在しません。

彼が成功したのは、小さな町工場にいながらも、「将来、世界をアッと驚かす」という大きな未来を決めたからなのです。

大切なのは、まず先に未来をしっかり決めることです。「そんなの、妄想だろう」と笑われるぐらい、ありえないほど最高の未来を自由に描きましょう。