脳の仕組みを使って夢を叶える方法
先に未来を決めれば、夢が叶うだって?
そんなうまい話があるかと、にわかには信じがたいかもしれません。
それを実際に実践し、その方法を体系的に教えてくれたのが、アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ夫妻の著書『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』(サンマーク出版)でした。
夫妻は、もともとオーストラリアの成功した作家でした。日本でも『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社)が話題になり、ご存じの方も多いと思います。
東京にご夫妻をお呼びして、大規模なセミナーを一緒にやりました。
世界中から夫妻のファンが来て、すごく盛り上がりました。
海辺の美しい家と広大な牧場、高級車やクルーザー……。
夫妻は、何一つ不自由のない生活をしていたのですが、あるとき、信頼していた会計士に全ての財産を騙しとられ、無一文になってしまいます。けれど、彼らはあきらめませんでした。再び成功するための方法を知っていたからです。
結論からいえば、その方法とは「自分が将来どうなりたいのか、その姿をただイメージする」だけというものです。あとは脳の仕組みを利用することで、夢が自動的に叶うというのです。
過去も未来も現在進行形で存在する
なぜイメージするだけで、夢が叶うのか? 「ブレイン・プログラミング」の具体的な内容を紹介する前に、まず私なりの解説をしてみたいと思います。
ちょっと目をつぶり、あなたが小さい頃に住んでいた家の記憶をたどってみてください。ほとんどの人が、「ここに台所があって、この廊下の先が自分の勉強部屋で……」など、細かい間取りまで思い出せるはずです。
その家は取り壊されて、今はもうないのかもしれません。にもかかわらず、鮮明に思い起こせるのです。つまりそれは、現実には今はないものも、脳のなかには現在進行形で存在していることを意味します。
ここで、一つの仮説が立てられます。
過去が現在に存在するということは、未来の姿をイメージすれば、脳のなかでは、未来もまた現在進行形で存在するのではないかということです。
みなさんのなかには、デジャブ(既視感)を経験したことのある方もいるでしょう。
過去に見たことも行ったこともないはずなのに、ある瞬間「以前ここに来たことがある「この状況は前にもあった」などと感じることです。
そうした既視感も、過去に想像した未来の状況がすでに脳のなかにあり、たまたまその状況が現実化したときに起こる現象ではないでしょうか。
つまり脳には、現実と想像上の出来事、そして過去・現在・未来の出来事を等価なものとして扱う側面があるということです。
たとえば、あなたが「プロジェクトのリーダーとして、素晴らしい仲間たちとワクワクしながら働いている」という未来像をイメージしたとします。すると脳は、それが現在のことだと思い込み、必要な情報や人脈をキャッチするなど、そのイメージにふさわしい行動を起こします。そうやって未来が現実化するのです。
それはプロゴルファーが、どこへボールを飛ばすか明確にイメージすることで、現実にその通りのショットを打つのとも似ています。