「普通の人」が「すごい人」になる過程にヒントがある
前回のコラム「コロナ禍だからこそ見習いたい、イマドキ富裕層が『しない』生活習慣7つ」では、固定電話やテレビを持たず、格安スマホを利用するなど、家計の見直しのヒントとなるような富裕層の行動を紹介しました。これには批判も含めて多くのご意見をいただいきました。
とくに多かったのは「富裕層はそんなことしないだろ」「データなどの根拠があるのか?」というご指摘です。そこで今回は、少し丁寧に補足説明したいと思います。
本連載で前提としている「富裕層」とは、先祖代々の富裕層ではありません。本人の努力や能力とは無関係にお金を持っている人の教えは、凡人が成功するために必ずしも役に立つとは限らないからです。あるいは悠々自適の超資産家の生活を知ったところで、私たちに応用できることは多くないでしょう。
たとえば「プライベートジェットで時間を節約」という話を読んで、では自分もプライベートジェットを買おうということになるか、です。
せいぜい、「ふ~ん、すごいねえ」くらいではないでしょうか。
それではあまり意味がありません。
そこで本連載では、富裕層の定義を一代で財を成した「成金」に設定しています。
成金というとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、将棋のコマと同じく、「歩」という一兵卒であっても、前進すればト金に成ると言えばわかりやすいでしょうか。
成金も最初は凡人。そこから収入を増やして成金になり、それが続いた結果として富裕層になっていきます。
そういう「普通の人がすごい人になっていく過程でやっていたこと」や、そういう人の思考パターンと行動パターンの方が、平凡な私たちには学びが多いはずである、という発想で本連載に取り組んでいます。私自身も起業してから約20年近くになりますが、そうやって成功していった人を数多く見てきましたし、一方でそうではない人も多数見てきたからです。