年収を大幅に上げるにはどうすればいいのか。不動産コンサルタントの午堂登紀雄さんは「起業家や投資家などの富裕層が集まる場に身を置いてみてほしい。30代の頃、1200万円の年収に達成感を覚えていた自分を変えたのも、富裕層との出会いだった」という――。
ビジネスの場で握手
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ド底辺からの社会人スタート

私は平均的な家庭で育ち、高校までは何不自由なく好きにさせてもらいました。

ただ大学時代は、仕送りは一切なく、奨学金を借りつつ自分でもアルバイトをしなければ、家を出て大学進学はできない水準でした。

なので在学中は本当に貧しい生活でした。同級生からも「おまえみたいな貧乏なヤツ初めて見た」と言われましたし、いつもヨレヨレの服を着ていたからか「午堂くんて日本語うまいね」と貧しい留学生と間違えられたこともあったぐらいです。

さらにちょうど就職氷河期で、どこにも就職できずフリーター生活を余儀なくされ、最初に就職した会社も1年でクビになったという、かなりド底辺でのスタートでした(こうした原体験がお金に対するコンプレックスとなり、マネー関連の情報発信をすることになったのかもしれません)。

それから10年後、外資コンサル勤務で年収は1200万円となり、「ついに年収1000万円を超えたか」とある種の達成感みたいなものがありました。

このあたりまでは普通のサラリーマンの感覚でした。

富裕層と交流すれば見える世界が変わる

しかし認識が変わったのは、のちに起業して投資不動産の仲介業を始め、知り合う友人知人が起業家や経営者、投資家ばかりになってからです。

年収1億円くらいの人は普通にゴロゴロいますし、経営する会社の年商や保有資産が100億円を超えるような人とも出会います。

たとえば身なりは普通のおじさんだと思っていたら十数社のオーナーで悠々自適とか、まだ20代後半なのにFX(外国為替証拠金取引)の取引ロットが1億円単位の投資家とか、年間家賃収入10億円のメガ大家・ギガ大家とか、いままでの自分の感覚とはまるで次元が異なるお金持ちとの交流が増えていったのです。

すると、自分の中にあったビジネスのスケールイメージ、稼ぐ金額も大きく跳ね上がり、当時の年収1200万円程度で達成感を得ていた自分がいかにちっぽけだったか、世界観が変わりました。

同時に、会話の中身、思考の中身も変わりました。

たとえば飲み会に誘われて行ってみると、そこにいるのはほぼ起業家・経営者で、話題の中心はビジネスや儲け話です。

「あれは儲かる」「あの会社はこれで儲かっている」「これがビジネスになるんじゃないか?」とか、誰かの名前や会社名が出たら、すかさずスマホで検索し、「おお~、この人、こういう人なんだって。こんなことまで手広くやってるよ」という話で盛り上がったり、「新しいあのソーシャルサービス、こうした方が売れるんじゃね?」と「勝手にコンサル大会」が始まります。

そして毎回誰かが別の起業家を連れてきてはこうした会が繰り返され、人と情報のネットワークが広がるのです。

それで自分自身も、普段から誰かのビジネスモデルやマネタイズ技術を観察したり研究したりするのが習慣になりました。