子どもが富裕層になる可能性を高めるには

あるいはもし、自分の子どもが将来お金で困ることがないよう何か良い影響を与えたいと思うなら、たとえば人気漫画『SPY×FAMILY』に出てくるアーニャ・フォージャーではありませんが、富裕層や有力者の子弟が通うようなレベルの高い学校に入れるという方法もあるかもしれません(漫画ではスパイミッションですが)。

私立校やボーディングスクールはお金がかかりますが、本コラムでも過去に書いたように、有名難関校の学生の方が起業や社会課題の解決に熱心です。

そしてそういう人たちと日常的に接していれば、子もポジティブな影響を受けるでしょう。

実際、この1年ちょっとぐらいの間で私が出会った若手起業家(50人前後)の出身大学は、1位がダントツで慶応義塾大学、次いで2位3位がほぼ同数で早稲田大学、東京大学でした(交流した人のウェブサイトは必ず確認するのでプロフィールを閲覧しました)。

お金や不動産ではなく…子どもに残したいもの

私自身は自分の子どもたちにはやはり起業を教えたいと思っています。まあ、教えるというか興味を持たせて実践を促すことでしょうか。

特に長男は発達障害なので通常の進学ルートは難しいでしょうし、発達障害のある人は対人関係が苦手であったり仕事が続かなかったり貧困に陥りやすい傾向があることもわかっているので、独力で何かができる技術を身に付けさせたい。

そしてお金や不動産を残すのではなく、好奇心や自分の力で人生を切り開く前向きなマインドといった知的基盤を残すことが、親である自分の役目ではないかと考えています。

たとえば子がマイホームを買う際、親が頭金として数百万円を支援するというのは珍しいことではないでしょう。あるいはお金を残したくても、普通の家庭では数千万円を貯めることも難しい。

しかし、たとえば平均的な生涯収入が2億円だとして、子が生涯で10億円を稼ぐことができるようになれば、それは8億円の財産を相続したに等しい効果になります。それに何より、本人の生きる自信にもなると思うからです。

最後に、私が好きなアメリカインディアンの教えを紹介します。

「あなたが産まれたとき、あなたは泣いて、周りの人は笑っていたでしょう。だからあなたが死ぬときは、周りが泣いて、あなたが笑っているような人生にするのですよ」

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。